商とあまり。そして概算。【わり算の筆算】
- job goro
- 7月26日
- 読了時間: 5分
更新日:7月27日

◆わり算の筆算は、終点がない。
今回は、「わり算の筆算」のお話ですね。
わり算の筆算が、たし算・ひき算・かけ算と異なるのは・・・
終着点がない筆算である。
つまり、永遠に計算し続けることができるわけです。
ただし、「わりきれない」場合の話。
そして、非除数、除数が、整数あるいは小数の場合の話。。
(まあ、筆算だから、当然ですよね・・・)
例えば、分数などが入ってくれば、話は別です。
こういうルールって、実は、小学校算数独特のものなんですよね。
だから、かえって、ややこしく感じがちなのですが。
☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆
◆商とあまりは、ワンセット。
つまり、割り切れない計算をストップさせるためには、
出題者か、あるいは計算している本人の意思で、
「ここで終わり」と「打ち止める」必要があるわけです。
その「打ち止め」の時点で、「商」と「あまり」が同時に発生する。
言い換えれば、「どの位(けた)で打ち止めるか」で、「商」と「あまり」は、微妙に異なってくるわけです。
元の式が同じでありながら、その解(商とあまり)が、複数、現れてくるってのも・・・
ちょっと変な話ですよね。
だからこそ、除法には、それが成り立つための条件がある。
それが、
(わられる数)=(わる数)×(商)+(あまり)・・・①
かつ
(わる数)>(あまり)
の両方を満たすことになります。
言い換えれば、商とあまりは、1対1の関係。
相手同士の組み合わせが、必ず決まってくるわけです。
◆四捨五入が入ってくると・・・
ところが、ここに「四捨五入」という操作が加わってくると・・・
途端に、ややこしくなる。
そう、「正しい商」は、わり進めた位がどこかによって異なりますが、
四捨五入(概数)にすると、同じ値になってしまう場合があるのです。
ここが、わり算の筆算を、ややこしくしているところでもあり・・・
そして!
真数(正しい計算値)と概数(およその計算値)を、ごっちゃにしてしまう。
しかも、その誤りに「気づきにくい」ところなのです。
◆整理して理解するために①商とあまりは1対1
まずしっかり理解するのは。
わり算の商とあまりは1対1であること。
言い換えれば、
「小数第二位で打ち止めた商」と「小数第三位で打ち止めたあまり」をごっちゃにしない。
同じく、
「小数第二位で打ち止めたあまり」と「小数第三位で打ち止めたあまり」をごっちゃにしない。
ことです。
「えーっ、四捨五入したら似たようなものだし、どっちだっていいじゃん?」
と思ってしまうかもしれませんが・・・
例えば、8.07÷0.96の解について。
小数第二位までで打ち止めたら・・・商8.4Φ、あまり0,006Φ(Φ=ファイ、つまり下位の空位ゼロは、あえて消さずに残しました)
言い換えれば、
8.07 = 0.96×8.4Φ+0.006Φ・・・②
という、イコールを境とした、左辺・右辺の「てんびんのおさら」が釣り合っている
という意味です。
しかし、例えば、小数第三位までで打ち止めたら・・・
商8.406、あまり0,00024。
つまり、
8.07 = 0.96×8.406+0.00024・・・③
商「8.406」と、あまり「0.00024」はニコイチ、ワンセットなのです。
両方揃ってこそ、イコールを境に、左辺・右辺で「てんびん」が釣り合うのです。
・・・さて、もうお分かりですね。
この「8.406」を勝手に②式の商「8.4Φ」に、入れ替えてしまい、
しかも、あまりはそのまんま「0.00024」にしてしまったら?
・・・そうです。
途端に、てんびんは傾いてしまうことになるわけです。
つまり、左辺=右辺には、ならない。
要するに、
8.07 ≠ 0.96×8.4Φ+0.00024・・・③’
(右辺は、8.06424。つまり、てんびんは「左」にかたむいちゃう!)
繰り返します。
商は、どこまでわり進めることだってできる。
打ち止めることもできる。
しかし、打ち止めた時点での解、つまり商とあまりの組み合わせは、1対1。
ワンセット、ニコイチ、だってことです。
商やあまりのどっちかだけを、勝手に他の値に入れ替えちゃうことは、できないのです。
ところが、ここに「概数」という考え方を混ぜこぜにしてくると・・・
途端に、それが狂ってしまう。
それが、ややこしくさせているのです。
では、混乱しないためには、どうすればいいか。
◆整理して理解するために②「正確な商」「およその商」は、立てわけて考える。
ま、はっきりいってしまうと。
「およその商」は、「正確な商」とは異なる。
いわば「ニセモノ」ってことです。苦笑。
まあ「ニセモノ!」なーんて言ってしまったら、誤解を受けそうですが・・・
でも、そうなんです。
「割り切れない」わり算を、整数・小数だけを用いて正確に解こうとしたら、どうしても「商」と「あまり」が出る。
この「商」と「あまり」が、いわば「真数」(正確な値)なのです。
ただ、ここで言う「あまり」とは、いわば独特のもの。
小学校算数のカテゴリーにおける便宜的なものなのです。
もし数学的に厳密な除法として演算を行なったら、解は有限小数としては完結しません。
小数点以下の位が延々と続いてしまう。(無限小数)
ただし、それをそのまま使おうとすると、日常生活の算数的活動場面で不都合が生じる。
小学校算数は、あくまで日常的な算数的体験や活動をベースにしてますからね。
また、小数点以下の位が延々と続こうと、はっきりいって、微細な量。
(ただし、数学的には、その微細な量ですら正確に表現しないといけないのですが)
少なくとも、小学生が日常的に用いるような数量には、ほとんど影響しない。
だから、あえて「ニセモノ?(近似値)」として、概数を取り入れるのです。
しかし!!
だからと言って、次のように表すのは、厳密に言えば「間違い」です。
(商)8.406(真数)=8.41(四捨五入した後の概数)
などと、「イコール」で結んではいけない。
左辺は真数、右辺は概数だからです。
せめて、
商8.406 →(イコールでなく矢印!) 約8.41
とか。
あるいは、小学校では習わないけど
8.406 ≒ 8.41
と、表さなくてはならない。
日本語の格助詞でよく使われる「は(wa)」というもの。
数学的な「=」(イコール)の記号。
どちらも発音は「は(wa)」ですが、それぞれ、別物なのです。
これらの意味を、曖昧に捉えてはならないのです。
☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆
ちなみに、この概数「8.41」を、「商」ではなく「およその商」ともいいます。
「およその商」は、「正確な商」ではないのです。しつこく言いますが。
「わり算」という「演算の解」ではないのです。
問題文で問われている「問いかけに対する解」に過ぎないのです。
(※ここのところは、ぜひ教科書で、確認してみてください。
わり算の値(商+あまり)の「商」を、「四捨五入した後の商(およその商)」とは、決して「イコール記号」では、つないでいないはずです。)
「計算の正確な解」と「問われている解」が、異なる。
と、いうことですね。
まあ、わかってしまえば、どうってことはない問題なのですが・・・
曖昧にしてしまうと、ややこしくなるので、注意が必要ですね。
2026.7.26




コメント