「美しさ」のあるヒラメキや解法は、最強の光を放つ。/260908
◆「正しく・早く・美しく」
これが、私が算数の指導において追求している、理想の解答・解法です。
では、解法の「美しさ」とは、一体どういうことなのでしょうか?
ひとつ、具体的なエピソードをご紹介します。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ある日、図形の角度を求める問題を解いていたときのこと。
「よーい、ドン!」で、生徒とどちらが早く解けるか勝負をしました。

約2分後、まずは私の解答が完成。
その20秒後、生徒の解答も完成しました。
スピードだけを見れば、今回は私の勝ちです。
しかし、本番はここからでした。

左が、生徒の解答。 右が、私の解答。
さて、どちらが「美しい」でしょうか?
見方によって意見は分かれるかもしれませんが・・・
私はこのとき、素直に「生徒の勝ちだ」と感じました。
理由はとてもシンプル。
「シンプルで、わかりやすいから」です。
私の解法はどこか回りくどく、バタバタとした解き方になっていました。
それに対して、生徒の解法は極めてスマートで、無駄がありません。
まさに「美しい」解法だったのです。
◆多層的なとらえ方ができる「眼」を養う
振り返ってみると、私は「三角定規の形」という固定観念にとらわれていました。
一方、生徒は各辺が重なり合うことで生まれる新しい図形をフラットに感じ取り、隠れた三角形をしっかりと見抜いていたのです。
こうした多層的な思考ができる「眼」を養うことこそが、算数の世界では何より大切です。
もちろん図形に限った話ではありませんが、図形分野は「目で見て考えられる」からこそ、解けたときの楽しさが格別です。
これこそが、算数の「考える楽しさ」「悩み、見つける楽しさ」なのだと、改めて実感します。
自分の想像を超える素晴らしい解答に出会ったとき、そこには爽快な「やられた!」感があります。
そして同時に、なんだかくすぐったいような、心地よい情熱が湧いてくるのです。
「ああ、こうやって発見すればよかったのか!」
「よーし、次はもっといい解法を見つけるぞ!」
自分の可能性に新しい希望を見出し、挑戦したくなる感覚。
この知的好奇心が刺激される瞬間が、たまらなく楽しいのです。
だからこそ、算数の面白さは尽きることがありません。
◆子どもに「負けた」瞬間が、一番うれしい
長年子どもたちを指導していると、こうして痛快に「負かされる」瞬間が度々訪れます。
でも、そんなとき、私は心から嬉しくなります。
子どもたちが着実に力をつけ、また一歩成長してくれたことを、何よりも実感できるからです。
これこそが、まさに、「育てる醍醐味」。
算数指導をやっていて、「一番楽しい」と、感じる瞬間でもあります。
2026.9.8




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