算数の「センス」は教えられない?図形問題で開花する子どもの力260904
更新日:9月9日

◆ 図形問題は「最高のパズル」
図形問題というのは、まさにパズルや謎解き、ドミノ倒しのような面白さがあります。
複雑に見える問題でも、必要最小限の基本的な知識さえあれば、自分の力で解答を探っていける。
これこそが、算数、特に図形ジャンルが持つ、最高の醍醐味のひとつです。
しかし、多くの保護者様や子どもたちは、壁に直面します。
それが、「解き方の壁」です。
◆ 方法は「教わるもの」、センスは「感じ取るもの」
世の中には、図解が鮮やかで丁寧な参考書が溢れています。
分かりやすいYouTube動画もたくさんあります。
そういった教材から「解き方の手順(方法)」自体を教わることは、今の時代、カンタンです。
ですが、どんないい本を読んでも、どんなに動画を見ても。
それだけでは「センス」は磨かれません。
例えば、図形問題でよく使われる「補助線」。
「どこに補助線を引けばいいのか?」
ここにまさに「センス」が現れます。
シンプルな問題なら「平行四辺形だから対角線」「円だから中心から」といったテンプレートが通用します。
ですが、図形が複雑に重なり合ってくると、従来の方法だけでは途端に見えなくなってしまいます。
あーでもない、こーでもないとデタラメに線を引くうちに、何をしたかったのかさえ分からなくなってしまう……。
中学入試の図形問題に触れたことがある方なら、一度はそんな経験があるのではないでしょうか。
◆ なぜ高校入試より「中学入試」の図形問題が難しいのか?
「えっ、高校入試より中学入試の方が難しいの?」
そう思われるかもしれません。
ですが、ある意味、本当のことです。
理由はシンプル。
中学受験の算数は「使える道具(定理や公式)が少ないから」です。
高校入試であれば、「三平方の定理」や「メネラウスの定理」など、手持ちの武器が豊富にあります。
一方、中学受験では公式を丸暗記して戦うには限界があります。
知らない問題、見たことのない問題に直面したとき、手持ちの知識やセオリーだけに頼るクセが染み付いてしまっていると、全く歯が立ちません。
特に中学入試で問われるのは、ある意味、知識の量ではありません。
「少ない武器をいかに応用するか」という「知恵」の使い方です。
いわゆる偏差値の高い「難関校」であればあるほど、それが問われます。
だからこそ、難易度も高いけど、同時に、とても面白いのです。
◆ センスはどうやって磨くのか?――「リアルタイムの狩り」に同行する
では、その「センス」を磨くにはどうすればいいのでしょうか?
答えはひとつ。
「図を見て、リアルタイムで一緒に解法を探ること」です。
指導者側もあらかじめ答えを用意せず、ネタバレなし・準備なしの「初見」で問題に挑む。そこから「よーい、ドン」で一緒に考えます。
もちろん、経験の差があるため指導者の方が早く糸口を見つけます。
生徒はその「閃いた瞬間」に立ち会うのです。
「なんでそこに目をつけるの?」
という疑問が湧いた瞬間。
指導者は
「この図のここ、使えそうじゃない?」
と、“アタリ”のつけ方をリアルタイムで見せる。
最初は指導者の真似、パクリで結構です。
誘導してもらっても、構いません。
この体験を重ねるうちに、子ども自身が「アタリのつけ方」を自然と体得していきます。
言ってみれば。
広大なサバンナで「あそこに獲物がそうだ」と嗅ぎつける親の姿を見て、子どもが狩りを覚えていくようなものです。
詮ずるところ、メソッドや方法論ではありません。
一緒に体験して「感じ取る」ことでしか、身につかない感覚なのです。
◆ 図形問題が開く、子どもの大きな可能性
これまで数字の計算ばかりで算数に興味を持てなかった子が、図形問題をきっかけにガラリと変わることがあります。
「自分って、実はこんなにできるんだ!」
そんな自己発見や成功体験から、肯定感や有能感がグンと高まり、あるいは、整数問題など他のジャンルの成績まで相乗効果で伸びていくケースもあります。
・・・実は。
私がこの「さんすう教室」を立ち上げた最大の志も、夢も、まさにここにあります。
一歩一歩、一緒に謎解きを楽しみながら、子どもたちの中に眠る「センス」と「自信」を育んでいきたいと思っています。
2026.9.4




コメント